テレビドラマや、映画の中では、返済が遅れると家に怖いお兄さん達がいっぱい入ってきて、「払えないんなら、どうしてくれるんだ。」とばかりにすごむシーンが描かれています。多くの方のカードローンの取立てのイメージはこうではないでしょうか。
では、カードローンを利用した場合にこのような怖い取立てが本当にあるのでしょうか?気になる内実を紹介します。
昔はあった怖い取立ても今ではほとんど絶命状態に
以前は貸金業法というキャッシングやカードローンを規制する法律がゆるかったこともあって、グレーゾーン金利をはじめとした、悪質なヤミ金業者や悪質な取立ても横行していました。
しかし、2010年6月に貸金業法が改正され、グレーゾーン金利が撤廃されるとともに取立てに対しても厳しい制限が課されることになったのです。
この貸金業法に規定されていない取立てを行った場合には、貸金業者としての資格停止処分になってしまうため、悪質な業者でも準じる形になっているのです。
取立てに関する貸金業法の規定
貸金業法21条1項
「貸金業を営む者または貸金業を営む者から貸付債権について取り立ての委託を受けた者等が、威迫または同項各号の規定する行為その他の平穏を害する言動をしてはならない」
となっています。貸金業を営むものというのは、貸金業者として認可を受けている業者も、届出を行っていないヤミ金業者も同様に対象になります。
また、「保護の対象」となるのはカードローンを利用していた債務者以外にも、家族や近隣住民も含まれます。
具体的に禁止されていることを挙げてみると
- 暴力的な対応をして、取立てを行うこと
- 大声や乱暴な言動で威嚇して、取立てを行うこと
- 多人数で債務者の家に押しかけて、取立てを行うこと
- 保険金による弁済を強制すること、またそれを示唆する言動をすること
ということが禁止されるようになったのです。
今までのような悪質な取立てはすることができなくなったというのが実態なのです。
さらに特記事項として
「債務者等が弁済し、又は連絡し、若くは連絡を受ける時期を申し出た場合において、その申し出が社会通念に照らして相当であると認められないことその他の正当な理由がないのに、前号に規定する内閣府例で定める時間帯に、債務者に電話をかけ、若くはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること」が禁止されました。
これはどういうことかというと、いきなり自宅などに取立てに来てはいけないということなのです。
ただし、「連絡を受ける時期を申し出た場合」です。
例えば、「貸金業者に来週の12:00~13:00であれば携帯に連絡してもらえれば返済の件について話ができます。」というような連絡を受ける日時の指定を申し出た場合、それ以外の時間に、電話したり、FAXしたり、自宅に来たりしてはいけないということです。
この申し出は「社会通念に照らして相当である」と認められる必要があります。「10年後の13時に連絡してきてよ。」と申し出ても、それは通らないということです。
この特記事項があるおかけで、時間をこちらから指定していれば、それまでの間には電話やFAXも来ないため、安心してお金の工面、返済に時間を使えるようになったのです。
このように昔は横行していた悪質な取立ても、今では絶滅寸前になっているので安心してカードローンを利用できるのです。
ただし、ヤミ金は上記の貸金業法を無視する可能性もあるため、銀行、クレジットカード会社、消費者金融、どのカードローンを使っても良いですが、認可を受けていない貸金業者やそもそも名前が知られていないカードローンは利用しない方が懸命と言えるでしょう。
消費者金融カードローンであっても、知名度が高い大手の消費者金融であれば、悪質な取立てはありえないのです。