カードローンの審査に落ちた方にはぜひ見ていただきたいのが、カードローンの審査方法です。カードローンの審査はどんな項目に基づいて行われるのかが理解できれば、おのずとカードローンの審査も通りやすくなるのです。
基本的なカードローン審査の方法
1.属性
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2.個人信用情報(他社借入件数、他社借入額)
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3.その他(総量規制、申込み誤記入、誤申告、虚偽)
大きく分けて、この3つがカードローンの審査に利用される項目です。
属性とは?
属性というのは、その人のお金を返してくれるかどうかの信用のことです。カードローンを提供している金融機関は過去のデータから、どの属性の人であれば、確実に返してくれるのか?データを持っています。このデータをもとにスコアリング:点数をつけてその人の信用を点数化するのです。
わかりやすい例で言うと、過去に「医者」と「フリーター」にお金を貸した時に、お金をきちんと返済してくれなかった割合(デフォルト率)は、医者の方が低く、フリーターの方が高い。フリーターに貸すと高い割合で返済してくれない。ということが過去データで判明したら、医者の方が信用の点数が高いということになります。
個人信用情報とは?
個人信用情報というのは、貸金業者同士で共有しているお金の借り入れ状況のデータのことです。あなたが、A銀行のカードローンを利用していて、B消費者金融にカードローンの申し込みを行った場合には、B消費者金融はA銀行のカードローンの利用状況、契約状況、返済状況、返済遅延の有無などすべてを把握しているのです。
他社のカードローンの申し込み状況や利用状況も大きな審査の基準となっているのです。
その他の審査項目には何がある?
その他は、たとえば貸金業法で適用されている総量規制が挙げられます。総量規制がある場合は、収入の3分の1までしか貸し付けができないため、属性が良くて、個人信用情報が大丈夫でも、審査が通らないことがあるのです。
他には、申込みフォームに記入した情報が間違っている場合なども、審査にマイナスの影響があります。誤字脱字というのも重要ですし、他社借入額に記入した数字と個人信用情報で把握している数字が大きく違っていたら、ウソをついていると判断されてしまうのです。ウソをついている人の信用が低いのは言うまでもありません。
その他の審査項目
以前は、上記の3点に加えて対面与信という店舗での身なりや服装、話し方なども考慮して融資するかしないかのジャッジをしていましたが、最近ではインターネットでの審査が主流なので、ほとんど対面与信は絶滅していると言っていいでしょう。ただし、現在でも、店舗での借り入れや、消費者金融ATMでの新規契約時などは挙動不審さや話し方、身なりなどもチェックされているため、気をつけましょう。
しかし、ほとんどは上記3つの審査項目で融資をするか、しないかが30分程度で判断されます。
つまり、これらの項目を改善することができれば、審査が通らないで困っている人でも審査通過の可能性が高くなるのです。
では、属性と個人信用情報についてさらに詳細を解説していきます。
カードローン審査の属性に関する点数例
属性 重要度 ランキング | 属性 | 点数高い | やや高い | 普通 | やや低い | 点数低い |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 年齢 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
2 | 勤続年数 | 10年以上 | 5年~10年未満 | 1年~5年未満 | 6ヶ月~1年未満 | 6ヶ月未満 |
3 | 職種 | 医師、弁護士 | 公務員 | 正社員 | 自営業、派遣社員、アルバイト、パート | 専業主婦、学生、無職 |
4 | 健康保険 | 共済保険(公務員) | 組合保険(大手企業) | 社会保険(中小企業) | 国民健康保険(自営業・アルバイト) | 国民健康保険(自営業・アルバイト) |
5 | 勤務先規模 | 公務員 | 上場企業 | 大手企業 | 中小企業 | 零細企業、自営業 |
6 | 年収 | 600万円以上 | 400万円以上 | 200万円~400万円未満 | 100万円~200万円未満 | 100万円未満 |
7 | 居住年数 | 10年以上 | 5年~10年未満 | 3年~5年未満 | 1年~3年未満 | 1年未満 |
8 | 住居形態 | 持ち家(自己名義) | 持ち家(家族名義) | 官舎・社宅 | 賃貸 | 公営住宅 |
9 | 家族構成 | 独身・家族同居 | 既婚・家族同居・子供無し | 既婚・家族同居・子供有り | 既婚・同居家族無し・子供無し | 独身・同居家族無し |
10 | 電話 | 自宅固定電話・携帯電話 | 自宅固定電話・携帯電話 | 自宅固定電話のみ | 携帯電話のみ | 無し |
年齢
年齢は、若ければ若いほど、働ける時間や、働く方法の選択肢が広いため、返済できる確率が上がります。つまり、20代がスコアが高く、60代が一番スコアが低くなります。
家族構成
家族構成は、独身で親と一緒に住んでいるというような方は、収入に対して返済に回せる割合が大きいため、スコアが高く、逆に子供がいて家庭があると、収入に対して返済に回せる金額が少なくなってしまうため、スコアが低くなるのです。また、一番スコアが低い独身、家族同居なしというのは上記の考え方とは違い、万が一の時に連絡を取ることができなくなってしまうため、スコアが低くなるのです。
電話
今や自宅の電話を引かずに携帯だけで暮らしている方も多いのですが、だからこそ、自宅の固定電話というのが審査上重要になってきます。特にNTTの回線を自宅に引くということは重要な住居の証明にもなるため、携帯だけの方よりも審査はよくなります。
職種
職種は給料の高さと安定性の順番と行っていいでしょう。資格があり、高給の医師や弁護士が一番高く、安定している公務員と続きます。逆に審査が低いのは、収入が不安定な自営業やアルバイトになります。社長の方が審査は通りにくいのです。
勤務先規模
勤務先企業の規模では、公務員から、会社規模によって順番に並んでいます。
健康保険
健康保険は、上記の職種や勤務先を証明するものとして利用されています。公務員しか作れない共済保険の保険証は非常に大きな審査通過の武器なのです。
年収
年収は、実はあまり大きな審査要件にはなっていません。200万円以上あれば普通のスコアは付きます。
勤続年数
勤続年数は重要な審査項目になります。勤続年数が短い転職したばかりの方は審査に通らないことも多いのです。最低でも、1年は欲しいところです。
居住年数
居住年数も、勤続年数よりは重要ではありませんが、長い方が審査には有利になります。
住居形態
住まいは持家で自己名義での所有であれば、いざというときに売却して返済ということもできるので、審査上有利になります。逆に賃料が安い公営住宅などは、生活が苦しいことの証明として、逆に審査が通りにくくなるのです。
属性の重要度
属性で重要になるのは、借入時の年齢、勤続年数、職種。この3つが一番重要なポイントと言えるでしょう。年齢や職種はどうにもなりませんが、勤続年数が少ない場合は、半年以上、できれば1年経過してから申し込めば審査が通る可能性もありますし、逆に転職を考えているのであれば、辞める前にカードローンの申し込みだけして枠をもらっておくという方法も有効なのです。
カードローン審査の個人信用情報
金融機関が共有している個人信用情報には下記のようなものがあります。
カードローンの申込情報(保有期間 照会日より6ヶ月間)
ご本人を識別するための情報
氏名、生年月日、郵便番号、電話番号等
お申込み内容に関する情報
照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名等
どのカードローンに申し込んだのかが共有されます。たとえば、半年の間に3社以上のカードローンに申し込んでいた場合には、特にお金が困っている状況と判断され、申込みブラックとして審査に通らない可能性が大きくなってしまいます。
また、他の金融機関がその人のカードローンの審査に通過したのか、どうかもわかるため、他社で審査が落ち続けていると審査が落ちる可能性も高くなってしまうのです。
クレジット情報(保有期間 契約期間中および取引終了後5年間)
ご本人を識別するための情報
氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、勤務先名、勤務先電話番号、公的資料番号等
ご契約内容に関する情報
契約日、契約の種類、商品名、支払回数、契約額(極度額)、契約終了予定日、登録会社名等
お支払状況に関する情報
報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況等
割賦販売法対象商品のお支払状況に関する情報
割賦残債額、年間請求予定額、遅延有無等
貸金業法対象商品のお支払状況に関する情報
確定日、貸付日、出金額、残高、遅延の有無等
これが1番重要なカードローンの利用状況です。いつ契約したのか、限度額はいくらか、残さい額はいくらか、返済遅延がないか、破産の事実はないか、などほぼすべての情報が把握されると言っていいでしょう。
すべての借入の毎月の返済額の割合が、毎月の収入の3割を超えるとかなり審査は難しくなります。
1か月~2か月の支払延滞が2回以上あると審査は難しくなります。
3か月以上の支払延滞が1回以上あると審査は難しくなります。
また、他社借入件数が3件以上あると審査は難しくなります。
ただし、この他社借入状況に対して、審査でどうジャッジするのか。いくらの限度額まで設定できるのかは、カードローンを提供している金融機関ごとに大きく違うため、あるカードローンでは審査は通らなかったが、他のカードローンでは審査に通過したというのが往々にしてあるのです。
ちなみに、このカードローンの利用状況の情報は、5年間で消えます。つまり、返済事故を起こした、債務整理をしたという方でも、契約終了後5年が経てば、共有されている個人信用情報は消されるため、その後カードローンを申し込んでも審査に通過する可能性が高くなるのです。
利用記録(保有期間 利用日より6ヶ月間)
ご本人を識別するための情報
氏名、生年月日、郵便番号、電話番号等
利用した事実に関する情報
利用日、利用目的、利用会社名等
利用記録というのは、途上与信の実施状況がわかるデータです。途上与信というのは、新規の借入時の審査ではなく、利用後2か月や3か月に一度行われる利用途中の審査のことです。利用し始めてから新たな借り入れが増えていた、転職したなど信用状況が悪化している場合、限度額の引き下げや新規借り入れの利用停止などの処置がされることがあるのです。その途上与信を他の金融機関が行ったかどうかの情報がわかるものです。
カードローンの審査を通過させるためにすべきこと
上記からわかるように、審査を通すためには3つの審査項目に分類して対策を考えると良いでしょう。
1.どうにもならないもの
年齢、職種や住居形態、家族構成、返済遅延の事実など、すぐに変更することができない審査項目です。これは変えようがないので、どうにもなりません。長い期間を持って変更するしかないのです。
2.待てばどうにかなるもの
勤続年数、入居年数など、時間が経てば自動的に信用が増えて審査に通りやすくなるもの。また、返済遅延、債務整理、自己破産、申込みブラックなど、一定の期間が終われば個人信用情報が抹消されてきれいになるため、審査に通りやすくなるもの。があります。これらは、いつ審査が通りやすくなるのか、時間の目安をもってそのときまで待つことで審査が通りやすくなるのです。
3.今、対応可能なもの
他社借入件数、他社借入金額、固定電話などは、今動けば、改善する可能性の高いものです。特に審査のためには他社借入件数を減らすこと=他社のカードローンの完済実績を作ることが一番の近道です。借り入れ額の少ないカードローンから完済することで信用を上げましょう。このときに重要なのは、完済したら、解約まできっちり行うことです。枠を持ったままでは、他社借入件数を減らしたことにはならないからです。
また、細かいようですが、誤字脱字、虚偽の申告など申込フォームへの記載事項のミスを減らすことも審査通貨の対策と言えます。申込フォームこそ、丁寧に正確な数字を事前に把握した上で入力しましょう。
カードローンの審査通過のヒント!「申込み数から貸し付け数(融資実行数)の割合で審査難易度を見極める」
カードローンの審査通過のためには、カードローン審査で行われていることを理解したうえで、実際のデータを参考にして審査難易度を見極めることも重要になってきます。ぜひ、カードローン選びの参考にしましょう。
消費者金融カードローン | アコムカードローン | アイフルカードローン | プロミスカードローン | 新生銀行カードローン レイク | ノーローン | |
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データ取得期日 | 2016/4-6 | 2016/4-6 | 2016/4-6 | 2016/4-6 | 2016/4-6 | |
金利平均 | 15.3% | 14.9% | 14.9% | 17.2% | 16.0% | |
新規申込数(人) | 125,107 | 100,336 | 123,335 | 123,006 | 7,048 | |
新規貸付人数(人) | 60,113 | 46,964 | 53,748 | 40,100 | 1,600 | |
審査通過率(新規貸付人数/新規申込数) | 48.0% | 46.8% | 43.6% | 32.6% | 22.7% | |
初回貸付額 平均 | 149,000 | - | - | - | - | |
貸付残高構成比 | 10万円以下 | 1.4% | 4.5% | 2.0% | 3.3% | 1.8% |
10万円超 30万円以下 | 9.0% | 11.9% | 7.3% | 13.2% | 7.3% | |
30万円超 50万円以下 | 27.1% | 26.8% | 22.4% | 27.3% | 14.2% | |
50万円超 100万円以下 | 24.3% | 23.7% | 22.1% | 44.2% | 23.1% | |
100万円超 | 28.2% | 33.2% | 46.1% | 12.0% | 53.6% | |
年収別構成比(新規) | 200万円以下 | 22.8% | - | - | 12.6% | 6.1% |
200万円超 500万円以下 | 59.7% | - | - | 63.7% | 48.9% | |
500万円超 700万円以下 | 11.3% | - | - | 14.9% | 23.7% | |
700万円超 1,000万円以下 | 4.9% | - | - | 8.8% | 21.3% | |
1,000万円超 | 1.3% | - | - | - | - | |
新規平均貸付単価 | 200万円以下 | 119,000 | - | - | - | - |
200万円超 500万円以下 | 150,000 | - | - | - | - | |
500万円超 700万円以下 | 196,000 | - | - | - | - | |
700万円超 1,000万円以下 | 220,000 | - | - | - | - | |
1,000万円超 | 277,000 | - | - | - | - | |
顧客年代別構成比(新規) | ~29才 | 50.7% | - | - | 28.6% | 3.2% |
30~39才 | 18.9% | - | - | 23.8% | 19.2% | |
40~49才 | 16.5% | - | - | 25.4% | 37.5% | |
50~59才 | 9.9% | - | - | 15.1% | 26.5% | |
60才~ | 4.0% | - | - | 7.0% | 13.6% | |
顧客性別構成比(新規) | 男性 | 72.1% | - | - | 76.0% | 88.8% |
女性 | 25.5% | - | - | 23.9% | 11.2% | |
男性独身 | - | - | - | 43.7% | 37.2% | |
男性既婚 | - | - | - | 32.3% | 51.6% | |
女性独身 | - | - | - | 13.2% | 6.2% | |
女性既婚 | - | - | - | 10.7% | 5.0% | |
延滞比率 | 91~180日延滞比率 | - | 1.3% | 1.2% | - | 1.0% |
保証会社として入っている銀行カードローン | 三菱東京UFJ銀行カードローンバンクイック じぶん銀行カードローン(じぶんローン) セブン銀行カードローン | 東京スター銀行カードローン(スターカードローン) | - | 三井住友銀行カードローン | - |
出典:消費者金融各社のIR情報に記載されている数値を当サイトが集計・再計算し記載しています。
※審査通過率は「新規貸付人数/新規申込数」で計算しています。